剃刀の刃、太平洋 「サマセットモーム」 [海外文学・本棚]
サマセット・モームの小説が日本で人気が出たのは、1950年代だったと聞きます(私はまだ生まれていません)。ちょうどその頃にモームが来日したので、これをきっかけにブームになったのでしょうか。
「剃刀の刃」は、モームにとって晩年の作品であり、書評もあまり良くないようです。しかし、私にとっては、モームの作品の中で最もお気に入りの一つで、和訳以外に英文(原文?)も読んでみました。物語を読み進めていって、その最後に、登場人物たちが、各々の人生においてなにかしらを(欲していた?)を与えられる、という内容で結ばれているあたりは感動的です。
「太平洋」は、文庫本サイズでも1ページに収まってしまう、モームの短編集の中でも最も字数の少ない作品ではないかと思います。しかし、その1ページに濃縮された太平洋の描写から、さまざまなものを想像させてくれます。これも、モーム作品の中ではお気に入りの一つです。
2009-09-27 08:24
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