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風立ちぬ・美しき村(堀辰雄) [日本文学・本棚]


風立ちぬ・美しい村 (新潮文庫)

風立ちぬ・美しい村 (新潮文庫)

  • 作者: 堀 辰雄
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1951/01
  • メディア: 文庫

私が、結核・脊髄カリエス、サナトリウムなどどいう言葉を知ったのは、堀辰雄の本を読んでからではないかと思う。どれも、身近にはない病気・施設だったので、具体的なイメージがわかなかったが、高原とサナトリウムという言葉の響きには、なんだか洒落た印象を持った(不謹慎ですね^^)。大学で国文学を教えている先輩によれば、明治・大正・昭和前期?頃の大学寮は、結核菌の巣窟だったということを聞いた。また、当時の結核は不治の病だったので、結核を考えるとき、世のはかなさととともに「生きることについて」も静かに考えたのだろう。

アマゾンの書評を読んでみると、「風立ちぬ」はリルケの影響があるらしい。いずれにせよ、当時の日本の国家組織の構築・いろいろな産業・芸術(絵画・文学)など、多くのものが西洋からの大きな影響を受けた。そして、それは現在に比べると、一方的に波のように押寄せてくるものだったのだろうから、堀辰雄の作品がそのような影響を受けていても不思議ではない。

感想は、情景描写が素晴らしい、この一言に尽きる。

krause


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コメント 2

ぽりぽり

正岡子規もこの病で早くに亡くなっていますよね。
by ぽりぽり (2012-11-22 19:07) 

krause


子規は、結核から菌が脊髄に移り、脊髄カリエスになってようですね。因みに、子規は、学生時代に房州旅行の際に、私の住むムラに1泊しています。


by krause (2012-11-23 18:48)