SSブログ

La Strada (道) フェリーニ [映画・本棚]


道 [DVD]

道 [DVD]

  • 出版社/メーカー: アイ・ヴィ・シー
  • メディア: DVD

フェリーニファンの先輩がいたこと、そして、遠藤周作のエッセイでこの作品が紹介されていたこともあって、先輩にビデオを借りて観てみた。遠藤は、エッセイの中で、男女の根源的な関係を書いた映画作品だ、というようなことを述べていたと記憶しているが、多分に、キリスト教色の強い作品なので、遠藤の思想的なものに合致したのかも知れない。当時、10代でキリスト教徒でない私にも、この映画は、さまざまなことを示唆してくれた。

 フェリーニファンにはお叱りをうけてしまうかも知れないが、フェリーニの数ある素晴らしい映画の中で、「道」が最もお気に入りの映画だ。これは、太宰治の著作の中で「走れメロス」が一番お気に入りと言うことと似ているのかも知れない。

この映画に出てくる知的障害のあるジェルソミーナ演じるジュリエッタ・マシーナは、フェリーニの妻。私は、彼女以外では、この役を演じるのは非常に難しかったのではないか、と思っている。また、ニーノ・ロータ作曲の「ジェルソミーナのテーマ」は、この映画を一層引き立てる。2010年のバンクーバ冬季オリンピックで、高橋大輔がこの曲を採用したが、曲名は、「ジェルソミーナ」として紹介されていた。

 別ブログでも書いたが、シドニーに住んでいる頃(悪名高く、治安の悪い歓楽街 KINGS CROSSに住んでいた)、キングスクロスのメインストリートから1本入った路地にLa Strada という名のイタリアレストランがあり、この映画の場面を写真したものが飾られていた。入ってみたいとも思ったが、超貧乏学生だった私には、金も着ていく服もなく、結局、シドニー滞在中にこの店にはいることは無かった。

krause


nice!(19)  コメント(3) 
共通テーマ:映画

nice! 19

コメント 3

e-g-g

『道』はやはり印象深い作品ですね。
見るたびに、こういう映画が生まれる時代が確かにあったのだと思います。
それと遠藤周作、どうしても『わたしが・棄てた・女』を想起しますね。
つまらない話ですが、
私の車に付いているカーナビが「Strada」という名前です。
起動するたびにジュリエッタ・マシーナの面影を思い出します。
by e-g-g (2012-12-16 12:36) 

cocoa051

krauseさんのお優しさを感じます。
by cocoa051 (2012-12-16 16:12) 

krause

e-g-g さん、
私も、これから、このような映画が作られる時代がまた来るのだろうか、と考えていました。遠藤周作の「わたしが・棄てた・女」、のことを忘れていました^^;、確かに連想させられます。因みに、私のカーナビもStrada ですが、来春車を買い換え予定です。

cocoaさん
とんでもございません、私はまだまだ人の気持ちの分からない輩なので、いつも細心注意して人に接しています。
by krause (2012-12-17 10:34)