月と六ペンス(サマセット・モーム) [海外文学・本棚]
中学生の頃に頻繁に出入りしていた何件かの本屋の文庫本の棚に、「モーム」という英語らしさを感じない軟らかな発音の著者名に、何となく幻想的な雰囲気を感じ取ったのが、この本を読むきっかけでした。国語の授業でもこの名前がでてくることはなかったし、周囲に読んだ人もいないので、ヘンテコな文学作品なのかな、とも思っていました。そして、このタイトル「月と六ペンス」は、更にモームという名の幻想的な雰囲気を盛り上げました。文庫本一冊を買うのも懐の厳しい中学生の私にとっては大変なことでしたが、意を決して最初に買ったモームの本がこの「月と六ペンス」でした。内容は、ストリックランド氏が、住んでいる地と人を捨てて南の島へ行って画家になってしまうという話であること、その行動の中で、いろいろな人間模様が描かれていく、という程度にしか理解できませんでした。その後、この本を何度か読み返します。そして、このストリックランド氏のモデルがゴーギャンであることを知ったのは大学に入ってからですが、このストーリーの中で巧みに描かれている心理描写を十分に理解できたのもその頃かもしれません。もう一度読み返してみたいと思っています。
この作品の概要などは、Wikipediaをご参照ください。
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The Moon and Sixpence (Dover Value Editions)
- 作者: W. Somerset Maugham
- 出版社/メーカー: Dover Publications
- 発売日: 2006/01/20
- メディア: ペーパーバック
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