狭き門(アンドレ・ジイド) [海外文学・本棚]
この本は、中学生の頃に読んで強烈に感動し、その後にも大きな影響を受けた。この本を読み終えた時の達成感は、かなり大きかったことを今でも覚えている。精神性を高めることの気高さを、中学生ながら多少は理解したのではないかと思っている(しかし、その一方で、当時の私はアリサの気持ちというものを理解できていなかったことから、多分、この作品の半分も理解できていなかったのだろう)。
当時は今以上に知識の乏しかった中学生の私には、宗教的な影響を感じはしたが、これはヨーロッパ的なものであり、「キリスト教的なものだ」という認識はなかった。また、ジェロームがアリサや自身の精神性を高めることは、素晴らしいことだと感動したが、アリサの苦悩、深層にある気持ちというものは全く理解できていなかった。
50歳を超えた今、やっと少し理解できるようになった。もう一度、じっくり読み返してみようと思っている。
作品を理解するには、十分な知識と経験が必要なのかもしれない。その一方で、中学生なりに意味も分からず徒手空拳で懸命に読み込み理解しようと努め、それでも作者の気持ちを理解するまでには至らずとも、何かをほんの僅かだけ理解して、自分をちょっぴりだけ成長させることができたとしたら、「全く無意味な読書」ではなかったのかもしれない。
krause
ジイドの作品はこの「狭き門」と「田園交響楽」を読んでいますが、後者のほうが自分にはわかりやすかったです。それでも子供の頃はわかりにくいところがあったのだと思います。
クリスチャンなのでわかりやすい面が多いはずなのですが、「狭き門」はどうも理解しがたいです。
キリスト教という要素は大切ですがそれだけで解釈できないものがあるのかなと思っています。これを機会にまた読んでみようと思います。
by Cecilia (2012-11-23 07:54)
Cecilliaさん、コメントをありがとうございます。
by krause (2012-11-23 18:35)