クヌルプ(ヘルマン・ヘッセ) [海外文学・本棚]
中学生の頃に読んだヘルマンヘッセの作品に登場する主人公たちは、「勉強を生活の一部にし、きちんとした生活をしている」という印象をうけ、私は彼らをとても尊敬し、見習っていきたいと思ったものです。しかし、うっかり「車輪の下」の主人公の人生の後半まで見習ってしまい、私の中学生活の結末も似たようなものになってしまいました(笑)。
さて、ヘッセというと前述の「車輪の下」、「知と愛」、「シッダールタ 」、「ガラス玉遊戯」などが有名ですが、私が一番お気に入りなのはこの「クヌルプ」です。神を信じながら「放浪」という自由きままな人生を送る主人公クヌルプ、最後の神との対話は感動的です。ドイツ版「フーテンの寅さん」かもしれませんね。そんな主人公の自由さが、理解不能な規則と受験勉強で縛られた中学生の私には魅力的でした。欧州エリアで私が溺愛するほど最も好きな国はドイツですが、同様にあまり愉快でない思いをしたのもドイツです。このクヌルプの自由さは、ドイツでのその不愉快な思いをちょっと和らげてくれます。
2009-10-22 11:24
nice!(5)
コメント(2)
こちらのブログも楽しみにしています。
この本は読んだことがないのですが中学時代に「車輪の下」の感想文を書いて校内では賞を取った記憶がありますが、きちんと読めていなかったと思います。
もう一度近いうちに読んでみたいです。
by Cecilia (2009-10-22 23:53)
中学時代ヘッセの小説や詩集たくさん読みました。
当時、詩集の霧の中や独りを読んで頷いていました。
懐かしい時代です。
by yukitan (2009-10-28 17:28)